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高坂美和子は、今年38才になった。会社員の夫と、中学生の息子二人の4人暮らしである。
決して生活が苦しいワケではないが、子供たちも手が離れ、増えた自由な時間を
結婚するまで勤めていたバスガイドとして、パート勤務していた。
中、高校とバレー部で鍛えた身体に、年とともに脂肪がついて丸みを帯び、熟女して
男を引き付けるフェロモンを、充分に発散させている事に当の本人は、まったく気づいていない。
特にバスガイドのミニでタイトぎみのスカートに包まれた、下腹部から臀部、ふとももにかけての
ラインは、「バックから突き刺して!」と自ら誘っている程の熟れ方である。
今日は久しぶりの一泊二日の仕事がついた。しかし、高校の社会研修旅行なのだが、普通であれば美和子は、
断るつもりであった。
「今時の高校生なんて大人の言う事なんてまともに聞かないし、こんなおばさんガイドだと、
ブーイングされるのが関の山だわ」
しかし、パートという立場と、その高校が美和子が学生だった頃からの評判の良い進学校なので、
悩んだが結局引き受けたのだった。
「だけど進学校なのに社会研修って変ね〜」
その疑問が、やがて美和子をかって無い恥辱の谷底に突き落とす事になるとは、知るよしもなかった。
出発の一時間前に着いた学校で、美和子の小さな疑問は解けた。
評判の良かった進学校というのは、もはや以前の話で、今では荒れているという程ではないにしろ、
かつての面影は、もはや無かった。 その理由の一つが、今回社会研修旅行を行う、就職クラスの存在だった。
「やっぱり断るべきだったかしら、でも先生もいらっしゃるし、何とかなるでしょ。適当に案内してビデオを
流しておけば勝手に騒いで終わってくでしょ」
自分に言い聞かせながら美和子は、バスに乗り込んだ。
ステップに足を掛けたとき、ずり上がったスカートからあらわになったムチッと
したふとももに、突き刺すような、そして舐めるような視線が投げかけられて
いる事に、美和子は気づいていなかった。
バスの中の生徒たちは、想像していたよりおとなしく、少々拍子抜けする感じだった。
おとなしいというよりも、落ち着きが無く、怯えているようでもあった。
「な〜んだ、取り越し苦労したかな? もう少し元気な方がいいわね」
しかし、安堵する美和子を、先ほどの舐める様な視線が、後部座席の方からじとっと
付け狙っていたままに存在していた。
マニュアル通りの挨拶を終え、朝のコーヒーを注いで廻りはじめた美和子は、生徒の中に
懐かしい顔を発見した。彼女の長男、隆の三つ年上で、家が近所だった浩司だった。
「えっ、浩司クンこの高校だったんだ〜、そっか隆が中三だからもう高三なのね!
ほんと、久しぶりね〜」
「そうですね」
「御両親は、お元気? もう浩司クン達が引っ越してから四年になるかしら」
「ええ、父も母も健在ですよ 僕達が引っ越してから五年になります」
「いやね〜、オバサンになると物忘れが多いのよ ゴメンなさいね」
「まだまだお若いですよ、それに僕は美和子さんのことずっと覚えていましたよ」
そう言った浩司の目が、例の美和子を嬲り尽くすような視線をはらんでニヤリと
笑ったが、懐かしさと、偶然の出会いに少女の様に感激している彼女に
見抜ける筈もなかった。
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